
どーも。堀内です。
毎年この時期になると、営業提案をしているような気がします。決算月の前に動く会社様が多いのもあると思います。”春から新プロジェクトを立ち上げたい!”っていうのもあると思います。
我々の仕事は、お客様が実現したいことをお伺いして形にしていくことです。
そのために要件定義をしたり、設計・開発・テストを経て、システムリリースという流れになるのですが、要件定義の前にお見積りを出さないといけない、というのがいつも難しいポイントです。
詳細なお話を聞く前に見積りを出さないといけませんし、その見積りが安すぎると、後で高くなった時に良くないプロジェクトになりかねません。他社との比較もありますので、高く出しても採用されないリスクがあります。
我々がいつも意識していることは、「お客様が実現したいこと」への理解度や、質の高いものを作るための技術力を中心に提案します。大事なのは「実現したいこと」にフォーカスすることであって、「作りたいもの」や「システム」が大事ではない、ということです。
我々が作るのはもちろん「システム」なので、できることややれることは限られているのですが、会社の方針や目指しているものとシステムや運用が乖離しては意味がありません。
よくお客様にお伝えするのは、「言ったとおりに作ってほしい」のであれば、弊社を選ばないでください、というお話をしています。「実現したいこと」とシステムに関する依頼事項に矛盾があったら、私達は必ず理由を確認します。意見をお伝えし、方向を変えていただくこともあります。それがどのフェーズであっても、大事な行為だと考えているので、弊社メンバー全員に文化として伝えています。
人によっては、めんどくさい会社かもしれませんが、意味のないものを作ることほど、全員にとって不幸なことはないからです。
先日、ポイント制度・リワード制度を改変するお客様がいらっしゃいましたが、制度にも一部口を挟ませていただきました。今回の改変の目的とその一つのルールや運用が、本当にあっていますか?という点から、アドバイスというか、「こんな方法での実現はどうでしょう?」というお話をしています。
システム開発やプロジェクトには必ず芯となる「想い」や「目的」があります。「ゴール」と言っていますが、それは状態でも良いと思っています。もしそれがないプロジェクトがあれば、メンバーや発起人と話し合って、ぜひ設定してみてください。ゴールがあるのと無いのでは、道に迷う回数や、迷ったときのリカバリーの速さが全然違います。
ゴールがしっかり設定できていると、各個人での判断も正しいものが増えます。
で、タイトルの話なのですが、通常は要件定義後に正式なお見積をすることを前提に、当初のお見積りをする事としています。
お客様から営業時に教えていただく状態は、ゴールだけ設定してあって、道が全くない状態、に近いです。その道のりにどんな障害があるかわからないことであったり、このような道で行って良いのか?というところがたくさんあります。
それを「不確定要素」とよんでいます。
ゴールまでの道のりを大きな地図で大まかに設定し、その中で細かい道のりを決めていきます。不確定要素を取り除いていきます。
実際の旅行に例えると、 家を出て、車に乗って、●●道路を使って、次の信号を曲がって、首都高速道路にのって、分岐を… で、東名高速の●●という出口を出て、名古屋市の●●につきます。 みたいなイメージです。
その道程の中で、この道を使った方が後になって楽かもしれません。ユーザーにとって幸せかもしれません。運用上簡単だと思うので、こうしませんか?みたいな話をたくさんしていきます。
完成品を描きながら、少しずつ絵を書いていく、というところだったり、彫刻を彫っていくところにも似ているのかもしれません。
ゴールを果たすためには、決まっていなくても大丈夫なものを、決めていくイメージです。既にできているものを使う場合は、Saasやパッケージを使うことになります。Saasはバス旅行で、パッケージはカーナビを使った旅行でしょうか。笑
我々のような場合は、運転手付きのリムジンに乗ってもらっている感じに近いかもしれません。超高級とは言えないので、リムジンというより、優良なタクシーかもしれませんね。
この不確定要素をできるだけ減らすことで、費用や期間などのブレがなくなっていきます。その行為こそが要件定義であり、設計と言えると思います。途中の道で、道路が閉鎖されていたり、木が倒れてくること、雪が積もってしまうこともあると思いますが、そうなっても最善の道を探しながら、お客様をゴールまでお届けするのが我々の仕事であり、ポリシーを持って行っていることになります。
この不確定要素を取り除くには、コミュニケーションが必要ですし、お客様と社内、社内のメンバー同士、別のベンダー様との会話、様々なシーンがありますが、めんどくさがらずに、不確定要素を確定事項にどんどん変えていく事が大事です。神経衰弱をどんどんめくっていく感じに近いかもしれません。どんどん認識を揃えてきれいにしていきましょう。
クラベスにお仕事を頼んでいただくと、そんな感情になれるかもしれません。
ではまた。
2025.02.21 堀内文雄(若い頃はダンプカーで細い道を行っている感覚だったな~)